2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

血中脂肪酸濃度は摂食後に低下し空腹時に上昇する

脂肪酸が摂食後の血糖濃度上昇時に肝臓に運ばれると血糖が利用されず生体にとってまずい事態が生じるが,空腹時にはグルコースの消費を抑えるために脂肪酸濃度は上昇する。この血中脂肪酸濃度の調節は脂肪組織に存在するホルモン感受性リパーゼによって行わ…

肥満を防ぐ:脂肪にならない油は生活習慣病を引き起こす

脂肪の蓄積が嫌われるあまり,世の中には脂肪にならない食用油なるものが売り出されている。脂肪はグリセロールに3分子の脂肪酸が結合した化合物であるが,摂取された脂肪は小腸でリパーゼによって両端の脂肪酸がはずされて2-モノアシルグリセロールと脂肪…

肥満を防ぐ:脂肪の輸送

肝臓でグルコースから合成された脂肪は脂肪組織(皮下脂肪)に運ばれて蓄えられるのであるが,脂肪は分子全体が疎水性の物質であるのでそのまま血中を輸送することはできない。脂肪の血中での輸送はリポタンパク質と呼ばれる顆粒を形成して行われる。リポタ…

肥満を防ぐ:過剰となったグルコースは脂肪合成に使われる

摂食後はすべてに優先して肝臓と筋肉でグリコーゲン合成が進行するが,過剰となったグルコースは肝臓で脂肪合成に使われる。過剰となったグルコースは解糖系で代謝されてピルビン酸を経てクエン酸となる(下図)。クエン酸はクエン酸回路で代謝されてATP産生…