グリコーゲンローディング

 筋肉のグリコーゲン蓄積量を増やす目的でおこなわれる方法がグリコーゲンローディングである。レースの一週間ほど前から3,4日間炭水化物食を極力摂らないで,代わりに肉や乳製品などを食べる。そしてこの間はげしい練習を行うことで筋肉中のグリコーゲンを枯渇状態にまで減少させる。レースの2,3日前より炭水化物,とくにパスタ類を大いに食べ,さらには練習量を減らしてグリコーゲンの消費を抑える。こうすると筋肉中のグリコーゲン含量は元の量よりも高いレベルに達する。なぜ元のレベル以上に回復するかは筋肉がトレーニングによって強くなるのと同じように生体の環境に適応しようとする性質によっていると思われる。こうしてグリコーゲンの蓄積量を最大限に増やしてレースに臨めば持久能を改善させることができる。

 注意しなければならないことは肝臓とは異なって筋肉ではグリコーゲン貯蔵量が100%近くまで達するには数回の食事が必要なことである。このためにレース前に十分な炭水化物食を摂っていると体重増加が起こる。体重制限のある競技あるいは体重増加がパフォーマンスに影響する競技では気をつけなければならない。

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