アクテムラでコロナウイルスは怖くない

 5月10日に放送されたコロナウイルスに関する番組(NHKスペシャル)を見て2つほどが特に印象に残った。一つはBCG接種がコロナによる死亡数を減少させている可能性である。BCG接種を行っている国(台湾,日本,韓国,イラン)と行っていない国(アメリカ,イギリス,イタリア,スペイン)の人口100万人当りの死亡数を比べてみると台湾,日本,韓国では1桁台,イランでは75であるのに対してBCG接種を行っていない国では200~500くらいであった。この結果はBCGに免疫力を高めてウイルス感染を抑える作用があるのではという期待を持たせるのであるが,残念なことにこれに反する結果も得られていた。イスラエルでは1980年代にそれまで全国民にしていたBCG接種を止めたのであるが,今回のコロナウイルス感染でBCG接種を受けていた年代層と受けていない年代層で死亡率に差が無かったということである。それならばBCG接種を行っている国と行っていない国になぜ差が出たのであろうか。いくつかの生活習慣が影響していると思うが,この結果と矛盾しない習慣は家の中で靴を脱ぐかどうかであると思う。台湾,日本,韓国,イランでは家の中で靴を脱ぐ習慣があるが,アメリカやヨーロッパ諸国ではその習慣がない。靴で歩いた床をはだしで歩いてベッドに入ることもある。このような習慣のために部屋の中に雑菌が多くコロナウイルスにより肺炎が起こった時に悪化する可能性もあるのではないだろうか。

 もう一つ印象に残ったことは大阪はびきの医療センターで行われたリュウマチの薬アクテムラのコロナに対する臨床実験である。アクテムラは免疫系の情報伝達タンパク質であるインターロイキン6(IL6)の受容体に結合してIL6の作用を抑える薬である。IL6の作用が強くなりすぎると免疫反応が強くなりすぎて炎症が引き起こされる。コロナウイルスによる急激な肺炎は自己免疫疾患と同じメカニズムで起こる炎症の可能性がある。アクテムラを13人の重症患者に投与したところ9名が回復して既に退院したということであった。患者の話ではアクテムラ投与を始めて1,2日で楽になり3日目にはラジオ体操やスクワットができるようになったということである。素晴らしい効果である。1日も早くアクテムラをコロナウイルスに対する薬として認めてほしいものである。

 それにしても今回のコロナウイルス感染に対する安倍政権の対処はあまりにもひどすぎる。せめてコロナ専門の病院を指定することを地方自治体に指導すべきであった。それをしなかったために急に重症化した患者が救急車で病院を探し回っている間に助からなくなってしまったケースも起こった。やったことと言えば大幅に時期を逸して10万円を配りつつあることと,巷にマスクが出回ったころに役に立たないような小さくて汚いマスクを配っていることくらい。バラマキならばどんな無能な政治家にもできることである。とくにマスクの件では500億円近くも使うのであるから,余程慎重に業者と製品を選ばなければならないのに,全く吟味することなく決定したにちがいない。安倍政権は国民の税金を使うことを屁とも思っていないのではないか。彼らは国民の税金は票稼ぎのために使うものと思っているのではと勘繰りたくなる。

 もう一つ,政府にのぞみたいことはもうすぐ台風の季節がやってくるが,対策を立てないと避難所で感染が拡がってしまう事態が生じる。今から計画を立てて準備しておかなくてはならない。無能政権に期待するのが間違っているだろうか。