タンパク質を多く食べる人は元気である

肉食が健康を作る

 まわりの老人を見ると肉を多く食べている人には元気な人が多いようである。肉食中心の欧米型の食事より日本食が健康に良いと言われてきたがこのことは正しいのだろうか。近年元気な年寄りが増えているのは食事が欧米型の変わったせいではないだろうか。まず肉食がもたらす利点を考えてみたい。

 一般的な日本人ではタンパク質は不足しがちな栄養素であるが,肉や魚などタンパク質を多く摂っていると血中グルタミン濃度が上昇する。グルタミンはタンパク質がエネルギー源として利用されると必ず生成するアミノ酸である。物が燃えればCO2とH2Oが生じる。タンパク質の分解で生じたアミノ酸が燃えるには窒素が邪魔である。そのためアミノ酸をエネルギー源にするには含まれる窒素原子を取り除かなければならないが,その反応は基本的には下に示すようにアミノ基転移酵素によって行われる。この酵素アミノ酸の窒素原子を含むアミノ基をα-ケトグルタル酸に移して下記の反応でグルタミン酸が生成する。グルタミン酸はグルタミン合成酵素の作用でさらにアンモニアを得てグルタミンとなる。

 タンパク質中にはグルタミンが含まれている上にアミノ酸代謝されればこのようにグルタミンが生じるので肉を食べれば体内のグルタミン濃度が増加する。肉食が健康な体を作る要因はすべて体内でグルタミンを増やすことに因っている。その理由は以下に述べる。

 なおアミノ酸がアミノ基転移酵素による反応を受けるときはこのように必ずα-ケトグルタル酸がアミノ基を受け取りグルタミン酸が生じる。このような方法でアミノ基転移反応が行われることは生体内でのグルタミンの重要性を反映しているものと考えられる。

  グルタミンは免疫力を強くしたり関節を丈夫にする作用を持つがそれらについては次回以降で述べたいと思います。f:id:taisha1:20170914081948p:plain